Hisashi Shirahama Official Blog


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2016.11.17 Thursday

「太陽に闇の深さが分るものか」


東京 11:00 a.m 快晴

昨夜は「出張で東京に行く」と必要以上に主張する悪童連ヒロノと新宿で痛飲
もうすぐ二十八日(四七日か)をむかえる曽我浩三を偲んだ
会う度に瘦せ細っていくソガをステージに上げようなんて
今思えば無茶なプランを真っ先に後押ししたのもまたヒロノだった
去年既に末期癌のカウントダウンが始まっていたらしいが
ヒロノはそれを本人にも家族にも(勿論仲間にも)知らせなかった
僕自身、多くの身内を癌で亡くし見送った経験から
「来年春までは大丈夫だろう」と思っていたけどヒロノは
「年内かもしれない」と覚悟していたそうだ

昨夜詳細を話してくれたところによると脳に転移した腫瘍は思いのほか大きく
隣接する正常な部位をかなり圧迫していた
そしてそこから大出血してそれが直接の死因となった

ソガと僕は音楽家同士ながら随分異なる道を歩んできた
自分で言うのもなんだがそれなりに派手な活動を(結果として)やってきたのに対し
ソガは地元博多を離れず生演奏を売りにする店で長くギターを弾き
40代に自分の店を持った
お客さんのリクエストに応えて演奏するいわば「生カラオケ」スタイルの店だ
好き嫌いがハッキリしている僕には到底出来ない仕事と思った
だがそういった生き方、音楽家としての活動は地味だが
僕なんかよりよっぽど多くの人を幸せにしていると再認識させられることとなり
それ以降、学生時代には殆ど付き合いがなかったヤツとの親交が始まった

僕の過ちは結局のところ一つだった(と思う)
「最後にコイツを日の当る場所に引っ張り出してやろう」
その身勝手な、傲慢な考えが間違っていたことに気付くのにさほど時間が掛からなかったが
それを教えてくれたのがソガの死だった
陽の光の下で生きることと日陰で生きることの違いは何だろうか
そこに幸せの優劣はあるだろうか
自分が日向にいると思い込んではいまいか
つい最近まで本番のステージを踏まずに逝ったソガを憐れんでいたが
今は違う
彼はこれまで数えきれない人々の魂を癒し、家族からも仲間からも愛され、人生を全うした
多くの仲間達が傍にいて最後を見届けた
僕とのライブなんて取るに足らないほど立派な生涯だったじゃないか!

彼が人生最後に弾いた曲は僕の「救いの扉」だった
「人は自分に合う大きさまで穴を掘って死んでいく」
デビュー前にレコード倫理協会からケチがついて詩を変えさせられた一節だ
自分の身の丈以上の人生が幸せかどうかは僕には分からない
極々個人的なことだが
そして多くの人にとって明日には忘れてしまう些細なことかもしれないが

全国的には全く無名だが博多に曽我浩三というギタリストがいた

彼の生きた証のようなものを何処かに刻んでおきたくてここに書いてみた

R.I.P

コメント


勝手な考えだとは思いますが、何ひとつ無駄なことはないように感じています。

たくさんの大切なものに気付かせてもらえました。

白浜さんや、素晴らしい仲間の方々に感謝しています。
2016/11/17 1:09 PM by キヨシ
 久さんが考えたこと、絶対に間違っていなかったと思います。
 僕は、10代の頃、自分には才能があると思っていました。いや20代の頃も。でもそれは違っていた。だけど、自分が出来る最大限のこと。それをやり遂げたいなとも思っています。だから音楽を続けています。

 音楽を続ける理由は人それぞれだと思います。本当は、メジャーシーンに出ていけたという人でも、そうでない人生を送っている人もたくさんいますよね?そういう人に、「もう一つの風景」を見てもらいたいと思うのは、仲間として当然のことだって思います。
 こんなこと考える僕も、自分勝手なのかもしれないですけどね・・・。

 だから、曽我さんのギター、聴きたかったなって思いました。
 たとえは悪いかもしれないし、失礼かもしれないけれど、白浜久というアーティストを通して知った。アーティストである、曽我さんのギターも、福山くんの歌やギターも、僕にとっては同じぐらい「聴きたいな」と思えるものであると・・・。すみません、うまくまとまらないので。でも、そんな辛い状況でも、ステージでギターを弾くためにリハにやってきた曽我さんは、最高のアーティストなんじゃないでしょうか?

 生意気なこと言ってすみません。今回のブログを読んでそんなことを感じました。
2016/11/17 10:27 PM by ufocluv(k)
Thanks, キヨシさん、ufocluvさん!
2016/11/19 10:54 AM by H.Shirahama

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